次回ライブ

【次回ライブ】

11月29日

吉祥寺 曼荼羅 [LIVE! LIFEWORKS vol.20] 19:00open 19:30start 2500円(当日3000円)

出演 岩崎けんいち 山口進(夜ハ短シ) 雨宮弘哲 白倉新之助

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2018年10月7日日曜日

モザイクという名の男


モザイクという名の男

アクリルの絵の具で弱肉強食の模様を描こうとしてる
俺の名はモザイク生まれは地球内部の何処か
それを知ってどうしようっていうんだ?
幼い頃から自分に才能があることに気付いてしまって
筆をとったのはみんなが鉄棒を回っているあの時
俺の地面もひっくり返った
早熟な俺はそれから毎日飽きる事無く女の裸を書き続けた

目立つ事が大好きな俺は事ある毎に顔中にペイントを施して
生活の事などただの一度も考えずに各地を転々として過ごした
体一つあればどこでだってどうにか暮らしていけるさと
紫陽花が咲けば雨の匂いを感じ取って次は灼熱の摩天楼を目指すのさ
バックパックに詰め込んだのは大そうな物じゃない
くたびれた一枚の古地図とブルーチーズ

炎の国で会った長老はそこにあった樫の木を人間に見立てて
各々首に一つは錨となるようなものをぶら下げておくべきだと言う
ならばと俺は港まで出向いて恋人を一つ見繕って
体を重ねる事も無く藁半紙の上に婚姻の誓いをたてるのさ
案ずる事はないぜ俺は惹かれたもんとは須らく夫婦になってきたのだから

感動的だぜ俺はついに無一文さ
アスファルトなら何処にでも転がってる
相棒は腹の足しにならない愛をせがんでる

こうでなくちゃいけない
儲けなんか要らない
三文芝居だが演じ切ってみせるさ

「随分痩せたみたいね」行きつけだった店の主人はグラスを手に近づいて来た
「水分は欲しくない。代わりに新しい作品を見てくれないだろうか」
「あたし絵心なんて無いから分かるかしら」
「構わない」俺はそう答える
大切なのは俺の絵を誰かが見てる事
安い酒がもたらす悪酔いと同じ様なもんさ

人だかりが出来てバツが悪くなった俺が早々に立ち去ろうとしてると
早撃ちのカウボーイ野郎が近づいてきて俺のあれやこれやを訊ね始めた
「君の絵はとても良いけど売れないな」と訳知り顔のそいつに
俺はこう言うのさ
「このオマンコ野郎俺の手作りのトマトチーズミートパイを食ってもいないくせに」
俺の名はモザイク 明日を決めるダイスはそのミートパイの中に入っているんだぜ

感動的だぜ俺はついに無一文さ
アスファルトなら何処にでも転がってる
相棒は腹の足しにならない愛を
せがんで俺の絵に唾を吐きかける
お天道様は丁度真上にあるようで
冷ややかな目で地上を焼くのさ
ベイビー残念だけど俺はこんな風に
日銭稼いで飲み干してしまうように
暮らしていくしか能のない男さ
アスファルトなら何処にでも転がってる
辿っていけばいつか家に戻れるぜお嬢ちゃん
毎日が吹き荒れるサキソフォンの様に
毎日が吹き荒れるサキソフォンの様にありますように
こうでなくちゃいけない
儲けなんか要らない
三文芝居だが演じ切ってみせるさ

ペパロニの帰宅方法


ペパロニの帰宅方法

北風がやってきて僕に道を尋ねた
僕は指をさしてあちらに帰りなさいと言う

一人きりで旅を続けるのは時に
二人よりも迷いやすいペパロニを連れて行く

悲しい事はお別れでも蓄え無しなことでもなく
あなたが帽子の被り方を忘れてしまいそうなこと

ペパロニはそう言って僕を膝に乗せ
谷底の小さな家を取り壊したところさ

生まれたあの街じゃ誰もが自分こそ
正しいと思っているそれにうんざりしたんだ

だけどだけれどそれは人の世の慣わし
子供がいつの日にか子供を作るように

新幹線が音も立てず夜の小川をのぼってくよ
僕の涙袋はワインガムでいっぱい

美しいことに気付かなくなったら
もうお終いねそれでも愛しているわ

誠実そうな羊飼い故郷に帰ると言います
僕は電気の街で暮らす事に決めたのです

汗を流し働き木陰に休むような
人にお成りなさいと彼女は滑り歩く

森を抜けて一本道をひたすらに登ろう
カトレヤの咲き乱れる家に向かうのよ

ペパロにはそう言って僕を膝に乗せ
日曜日の朝に振り出しに戻ったところさ


掃除機の蓋開けてたねベイビー


掃除機の蓋開けてたねベイビー

コインロッカーの裏側に落ちた
コインを拾うように生きても
僕は悲しいよって思わないのさ
僕は嬉しいことでいっぱいなのさ

捨てる身になったら忘れてしまう
捨て身の執念その汗臭さ
僕は新宿駅の個室トイレで
あなたに向き合う準備をしていた所でしたが

いきなり僕の夢を聞いておいて
そりゃないぜ
今頃アイスでも食っているのならば
世話ないぜ

いつも掃除機の蓋を開けてたねベイビー 傷口を弄るように

いきなり僕の夢を聞いておいて
そりゃないぜ
今頃アイスでも食っているのならば
世話ないぜ

コインロッカーの裏側に落ちた
コインを拾うように生きてる

古き良き時代

古き良き時代


古き良き時代に
憧れていたのさ
あの頃みんな戦士だった
あの頃はそうだったのさ

萎びた夢を見るなら
目の前の欲望を満たせ
都会はそう言っていた
いつでも相手をしてやるからと

みみっちい時代になったもんだな
土管一つ転がってやしない

春を待つ間に
情熱は冷めてしまったのか
熱燗で頼むと言ったのに
聞こえちゃいなかったみたいだ

あいつは大工をしながら
今日も包丁を研いでいる
いつか使うことになる日が
くるはずなのだから

世間は半端もんに冷たい
それは今も何にも変わっちゃいない

物思いに耽った
だけだったのに
手にはお縄をかけられ
何処かに閉じ込められた

言いたいことも言えないと
こぼしてる奴もいるが
あんたに言いたいことなんか
あった試しがあるかい

一皮剥けるのを50年待って
あんたに残された時間はわずかしかない

19歳にもなって外の世界の事がなんにも分からなきゃ死ぬまで同じさ

牙を抜かれた日本人
醤油の香りだけはいっちょまえ
日曜日のデモ行進は
お巡りさんが交通整理

裏表の無い人で
ありたいと思ってるようですが
ところで今日まであんたは
どこの誰だったのか

童話


童話

怪獣が見晴らしのいい家に登って
あたり構わず口から火を吐いた
僕ら早く鉄屑を集めて
命に換えても守りたいものを
守らなくちゃいけない

見つけた人だけが好きに使える
胡散臭い魔法
笛を吹いて

藁葺き屋根の家に住んだ
その男の子は
いつか自分にも幸運が舞い込んで来ると信じていたのに可哀想に
怪獣は彼を丸焼きにして食べてしまった

バッドラックがこの世に渦巻いてると
パトラッシュは天と地の間に留まって
吠えるあんたは理不尽な貴婦人
大抵の不幸は早とちりから生まれてきている

肉眼でしか見えないこの青白い
胡散臭い地球
回しながら

ドリブルをして歩いてた
その男の子は
いつか自分にも幸運が舞い込んで来ると信じていたのに可哀想に
焼け野原になった通学路
戦いはこれからなのさ
用も無いのに君を呼ぶ事もある

新宿的人間


新宿的人間

気に病まないでくれよ
僕の行く末なんて
夜の交通整理
気取った奴が言う

こんな下らない社会に
絶望なんかするなよ
あんたを嫌うやつがいるなら
必ず愛してくれるやつがいる
必ず愛してくれるやつがいる

仲間意識なんてさ
曖昧なものだから
曖昧な話とともに芽生える
DJ達は固く
嫌らしいほどに固く握手を交わしていた
外は明け透けなネオンと客引き達の声
明け透けなネオンと客引き達の声

新宿的人間 新宿的人間

遠くでは髪を金に染めた少女が苛立った表情で座り込んでいる
アイスクリームカップの空容器が今夜も誰かの帰りを待っている
僕を愛してくれ
そしたらもう10万払うぜ

昼の間に僕ら
嘘をついては眠り
夜に何かしらの液で濡らした
真実を抱いて生きる
真実を抱いて生きる
真実を抱いて生きる
真実を抱いて生きるのさ

新宿的人間 新宿的人間

アイスクリームカップの空容器が今夜も誰かの帰りを待っている

ガラス窓の向こう


ガラス窓の向こう

坊やは強い子ね
お箸で器をかき混ぜてみても
もうスープしかないような
そんな時にも明るく笑っていて

そんな女神みたいな事を言ってくれるのは
狭い東京に不釣り合いの広大な森だけ

僕が笑ってるように見えるのは
きっと僕の中のどこかの痙攣が
表情に伝染したんじゃないかなあ

僕は答える
広く未来に開かれたガラス窓に
浮き足立っているのは
きっとこっち側じゃない
向こう側なんだ

サンルーフを開けてくれない?
そこから身を乗り出して
全身で君たちの幸福を感じたい
160キロからもっとスピードを上げて
音速を超えたその時に
僕は心の底から泣くだろう

きっと君にはそれは聞こえない
誰よりも速くこの街を駆け抜けた
坊やの事を
女神のような森はまた褒めてくれるだろう

それで
僕は答える
広く未来に開かれたガラス窓に
浮き足立っているのは
きっとこっち側じゃない
向こう側なんだ

幽霊のところへ


幽霊のところへ

明るいうちに消えてなくなりなさい
明るいうちに消えてしまいなさい
途中で何も諦められないなんて地獄さ

明るいうちに帰って来なさい
夢中になるほど遊びなさい
それで何も何も思い出せなくなればいい

あなたは流れてくよ
ひゅるるるる
どこまでも
このままじゃ
抗うこともしないで
はためく幽霊のところへ

いつの間にやら帰ってきていた
絶望するほど負けちゃいないのさ
だから脚が生えてきたよ
僕の魂に

あなたは流れてくよ
ひゅるるるる
干からびたまま
軽々しく
誰にも迷惑をかけないで
はためく幽霊のところへ

汽車の走る田舎


汽車の走る田舎

素面の雨 いくら黄昏
この指とまれそら
今来た道をただ
帰っていくだけ

踏切待ち 豆腐屋の匂い
カラカラに渇いた
石炭を積んだ汽車が
走り抜けていく

行き場をなくした踊り子の影
死に目を見せない老いぼれた猫

ずぶ濡れの
お前が探してた
幸せってこれか

醤油の香りが抜けきれない僕ら
生きてる世界が狭すぎる

冗談じゃねえよと誰もが思ってる
田舎は味方で街は敵
商売は芸術とは違うんだ
日比谷で見かけた吊り広告
僕は厠を探してる
薄汚え

冗談じゃねえよと誰もが思ってる
田舎は味方で街は敵
商売は芸術とは違うんだ
日比谷で見かけた吊り広告

おしくらまんじゅう
痛いの痛いの飛んでけ

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