次回ライブ

【次回ライブ】

11月29日

吉祥寺 曼荼羅 [LIVE! LIFEWORKS vol.20] 19:00open 19:30start 2500円(当日3000円)

出演 岩崎けんいち 山口進(夜ハ短シ) 雨宮弘哲 白倉新之助

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2018年10月14日日曜日

大きな樹の家(セロファンの鮮やか窓)

大きな樹の家(セロファンの鮮やか窓)

茂みに隠れているなんて
そんなのって気付かなかった
背中を押されてよろめいて
躓いて初めて分かった

大昔憧れた
無数のガラクタ置き場
大きな樹の家に
セロファンの鮮やか窓

大きな樹の家に
大きな樹の家に
女の子達を呼んで
大騒ぎをする

草むらに寝転んでなんて
そんなのって凄く良いと思うけど
君が好きだっていう小説
3ページで主人公が死んで終わる

今でも大好きな
ひねくれた空想の旅
大きな樹の家に
セロファンの鮮やか窓
大きな樹の家に
大きな樹の家に
女の子達を呼んで
大騒ぎをする

けれどキツツキがやってきて
激しくドアを叩いた(大きな音で)
中に居るのはどうやら分かっているらしい
それでキツツキが言うには
こういう種類の事を(大きな声で)
宣伝したりするのだけは
止めて欲しいんだって

茂みに隠れているなんて
そんなのって気付かなかった
背中を押されてよろめいて
躓いて初めて分かった

大昔憧れた
無数のガラクタ置き場
大きな樹の家に
セロファンの鮮やか窓

ほくろとコスモス

ほくろとコスモス

ほくろ
見つけたや
月の裏側
いつも
照らされてない
そこに

恥ずかしいとこに
一つのほくろ
気になって探してる
いつものお風呂

スレンダーが服を着て
歩いてるみたいな
綺麗なお腹の
おへその下から
宇宙に向かって咲く花
カオスとコスモス

そのエッチな唇に
一つのほくろ
人類最初の着陸は
僕かアームストロングか

あなたにだって背中に
隠してることはある
綺麗な背骨の
湾曲の下から
宇宙に向かって咲く花
カオスとコスモス

恥もかいていこうと
便りが届いたから
僕はどこかに大きなほくろがあるんです
そんな小さな事からだって
心に事件は起きるんです

ほくろ
見つけたや
月の裏側
いつも
照らされてない
そこに

2018年10月7日日曜日


陽だまりの中蒸発ている
雨上がりの日に足跡に注ぐような
小さく細波を打ちながら待つ
あの子の脆い脆い心の

から渡り鳥たちが舞い降りて
こう告げたんだ
人を嫌いになっているほど
時間は残されてないのだから

嗚呼
い気持ちになるため
誰かを求めるのはいけないこと?

流れよ 溢れよ
叫びのごとく濡ら
流れよ 溢れよ
遡るなら枯れて

雨の翌日に似た匂い

草むらから蛙たちが飛び出
こう告げたんだ
悪い夢を見たら枕を
お日様に乾かてもらいなさいと

嗚呼
恐れることを隠すため
誰かを求めるのはいけないこと?

流れよ 溢れよ
叫びのごとく濡ら
流れよ 溢れよ
遡るなら枯れて

流れよ 溢れよ
叫びのごとく濡ら
流れよ 溢れよ
遡るなら枯れて

細波を打ちながら待つ
あの子の脆い心の湖
叫びの如く流れよ

ペパロニの帰宅方法


ペパロニの帰宅方法

北風がやってきて僕に道を尋ねた
僕は指をさしてあちらに帰りなさいと言う

一人きりで旅を続けるのは時に
二人よりも迷いやすいペパロニを連れて行く

悲しい事はお別れでも蓄え無しなことでもなく
あなたが帽子の被り方を忘れてしまいそうなこと

ペパロニはそう言って僕を膝に乗せ
谷底の小さな家を取り壊したところさ

生まれたあの街じゃ誰もが自分こそ
正しいと思っているそれにうんざりしたんだ

だけどだけれどそれは人の世の慣わし
子供がいつの日にか子供を作るように

新幹線が音も立てず夜の小川をのぼってくよ
僕の涙袋はワインガムでいっぱい

美しいことに気付かなくなったら
もうお終いねそれでも愛しているわ

誠実そうな羊飼い故郷に帰ると言います
僕は電気の街で暮らす事に決めたのです

汗を流し働き木陰に休むような
人にお成りなさいと彼女は滑り歩く

森を抜けて一本道をひたすらに登ろう
カトレヤの咲き乱れる家に向かうのよ

ペパロにはそう言って僕を膝に乗せ
日曜日の朝に振り出しに戻ったところさ


全身で生きろ

全身で生きろ

耳を疑って
目を疑って
青春は作られていくものですから
何もかも信じてしまうようになった
お前は帰って眠りなさい

例えば夜の星空に
郵便を投げ込むように
いつかの遠い北極に
オーロラが広がるように

全身で生きていれば
それだけで物語
実現するかどうかなんて
取るに足らないことだよ

人を疑って
人を裏切って
青春は作られていくものですから
自分だけが真っ当だと思っている
お前は帰って眠りなさい

例えばその金魚鉢に
ビー玉を投げ入れた時
水面が砕けて飛んで
笑ったように聞こえた時

全身で生きていれば
それだけで物語
誰に聞いたとかそういうのは
もう無しにしようじゃないか

分からないことを
分からないままに
汚いものを
汚いままに
寂しい時は
寂しいと言って
美しいものに
泣いてしまったよ

木こりの就職活動


木こりの就職活動

もういい加減に定職に就こう
木こりはそう思って山を下りた

最近流行りの仕事は全部
海沿いの街で行われている

まず見つけたのは小さな食品加工会社
魚の扱いで漁師たちと折り合いが悪いらしい

でも木こりは自分に言い聞かせる
仕事は評判で選ぶものじゃない

山の上では愛する妻と一人娘が待っている

覚悟を決めて面接を受けた彼に
木こりのお前に何ができるんだと会社は聞いた

帰りの道は湿った潮風
いつにも増して生ぬるく

木こりは木こりで果たして自分に
何をして金を稼げるのかと悩む

ふと見ると周りには同じような人々が
幾つも幾つも悩み顏を並べて歩いてる

夢も希望も失った人で街は溢れかえっていた
それでも奴らは男だから口では強気を繰り返す

そのうち彼らは口論を始めて
止めに入った木こりは前歯を折られてしまった

誰も彼もが何をすべきか実のところ分かっていない
君は知ってるかい自分の一番素敵で誇らしい所

山は山、海は海で仕事が違って
それを間違えると何よりも不幸になってしまうんだ

グッバイドーナツ自由の女神

グッバイドーナツ自由の女神

悲しい運命ね
あなたは先の事を知りすぎているわ
未来を予定通り
過去に塗り替えて生きていくだなんて

悲しい体温ね
あなたの内は熱い雨が降るのに
外側は冷たく晴れ渡ったよう
真冬のベッドシーツみたい

空港に住んでる僕に手紙をよこさないでよ
たとえ届いても僕はそいつを読みやしないよ

その子は檻の中に閉じ込められて
苦しい苦しいと言う
その子は彼を檻ごと抱きしめ
もう良いよもう良いよと言う

二人は固く結ばれて愛と引き換えに
旅を終えた
陽に焼けた鞄の中に縫い付けた
日付変更線

自由の女神 子守唄でも聞かせてくれよ
両手の荷物を脇に置いてさあ
柔らかい胸の谷間に僕を閉じ込めてくれよ

さよならさ また逢う日まで
グッバイドーナツ また逢うその時まで

空港に住んでる僕に手紙をよこさないでよ
たとえ届いても僕はそいつを
ビリビリに破いてあなたを見送る紙吹雪にするよ

さよならさ グッバイドーナツ
また逢う日まで 自由の女神
さよならさ また逢う日まで
グッバイドーナツ また逢うその時まで

噂話の果実

噂話の果実

楽園の果てに一本の木を生やしておいた
それは噂話の果実
口にした者はその甘さに魅せられ
次々に分け与えていった

遠く異国に住む僕の所まで
それはやってきて 机の上にある

始まりはその実を知る者と
知らない者に分かれた事で
補い合いたい気持ちは決断を迫ってくる
理解と誤解のどちらを選ぶのか

噂話はやがて 実態の無い幽霊となって
女の姿に化けて アタシは汚されたという

地滑りが始まれば 誰にもどうしようも出来ない

僕は復習に燃える眼で鏡を見たよ
それは壁に塗り込まれたような醜い泣き顔
本当にしたい事はこんなんじゃないのに
 
傷つけ合わないと話も始まらないなんて
気が遠くなるくらい愚かじゃないか
絶対的な自由の為に罪を犯して
牢獄の一人暮らしに憧れてみるんだ

船出

船出

夜を吸い込んだら
勇気が出てきたなら
始まりの日を 始めの町で
迎える用意も 良いのだけれど

何も知らないから
全部欲しくなるから
僕は働く もっと上手く
永い旅に出て 必要なだけ潜る

跳ね上がった空の破片
行列を作って
灯りを消し 何をしよう

とても見せたいのに
とても見せたいのに
絵葉書を送るよ

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