ブリーチ
間違いならいいのに
それならばいいのに
心の冷たい人と
思われてしまった
数年前までは
あなたは僕たちと
同じ言葉を話し
同じく馬鹿だった
とはいえ僕も
取り立てて何か
してきたわけじゃない
なし得たわけじゃない
ペテン師だらけの
都会に唾を吐いて
あなたはいつかきっと
戻ってくるでしょう
思っていたよりも
真剣に生きていた
ただそれだけなのに
壊れてしまった
守るものができて
そのために何かを
捨てなければならない
そう信じ込んだまま
瞳の奥に
まだ怒りはある
抽斗の奥に
ブリーチ剤はある
解体工事中の
オペラハウスに
あなたはいつかきっと
戻ってくるでしょう
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