ガラス窓の向こう
坊やは強い子ね
お箸で器をかき混ぜてみても
もうスープしかないような
そんな時にも明るく笑っていて
そんな女神みたいな事を言ってくれるのは
狭い東京に不釣り合いの広大な森だけ
僕が笑ってるように見えるのは
きっと僕の中のどこかの痙攣が
表情に伝染したんじゃないかなあ
僕は答える
広く未来に開かれたガラス窓に
浮き足立っているのは
きっとこっち側じゃない
向こう側なんだ
サンルーフを開けてくれない?
そこから身を乗り出して
全身で君たちの幸福を感じたい
160キロからもっとスピードを上げて
音速を超えたその時に
僕は心の底から泣くだろう
きっと君にはそれは聞こえない
誰よりも速くこの街を駆け抜けた
坊やの事を
女神のような森はまた褒めてくれるだろう
それで
僕は答える
広く未来に開かれたガラス窓に
浮き足立っているのは
きっとこっち側じゃない
向こう側なんだ
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